ありそうで無かったショートレングスのパワースピニング(携行性抜群のオマケつき)
ここ数年は私情でパックロッドの需要が高まっていて、今回紹介するミストラルXXが4本目となるパックロッドです。
パックロッドメーカーはトランスセンデンスというブランドのロッドを好んで使用しており、これまでレイトブルーミングス・プルクラ・ラウラウの3本を使用してきましたが、ミストラルXXは1番クセありのロッドでした。ただ、そのクセこそがミストラルXXの万能たる所以のキーであるようにも感じました。
では早速インプレしていきます!
ミストラルXXは7パターンの組み合わせが可能なパックロッド
ミストラルXXは仕舞寸法525mmと非常にコンパクトになるパックロッドです。
5ピースのブランクスとグリップ(リアグリップは短いものと長いもの2種類を組み合わせ可能)の構成で、5.2ft/5.4ft/5.9ft/6.1ft/6.8ft/7.0ft/7.5ftの7パターンのセッティングが可能です。
1本買うだけでこれだけのレングスを可変することができるので、非常に幅広く対応することが可能なロッドということがわかると思います。
5.2ft~7.5ftのショートレングスで2ozクラスのルアーをキャストできる貴重な存在
私がこのロッドに魅力を感じたポイントはショートレングスでありながら2ozを超える重量級のルアーをキャスト可能なスペックでした。
というのも、最近の遊漁船事情だと同船者とのトラブル防止のために8ft台のロッド(注:遊漁船によっては7ft後半のロッドも禁止しているところもあるので確認してください)が禁止されているところが多いです。
なんだけど、例えば最近人気なサワラのブレードジギングや、ボートロックでは40g~60g程度のウエイトを使うことも珍しくないです。
遊漁船のルールを守りつつ、上記のような釣りまで対応できるスピニングロッドを探してみると「全然選択肢が無い」状態でした。ミストラルXXはそんな私の求めるスペックに完全に合致していたんです。
オフショアを中心にショアのコアな釣りまで対応可能
ミストラルXXはボートゲームのバーサタイル性を求めて作られたロッドです。
それ故、使ってみると確かにオフショアでのバーサタイル性は非常に高く欠かせない1本になっています。ただ、ミストラルXXの特徴はショアでも活躍できるシチュエーションがありました。私の使用実績を踏まえてどんな釣りに使用できるのか紹介します。
サワラ ブレードジギング
この釣りにも使えるロッドとして購入したのでもちろん使いました!
乗船するボートのサイズにもよるでしょうが、しっかり脇で挟める&使用感がマイルドになってキャストしやすい7.5ftでいつも使用しています。
エリアや状況によって使用するウエイトは異なると思いますが、60gのブレードジグまでは全く問題なく使用できます。(注:スペック上は50gなので自己責任でお願いします!)
ティップは入りやすい設計になっているものの、全体的にハリのあるロッドなので非常に着底もわかりやすいです。それでいてサワラが食ってきた時ははティップが入ってくれるのでしっかりフックアップしますし、もちろんパワー負けする感じは全くありません。
ガイドは3000番台のリールの使用を想定したセッティングになっているようですが、ダイワの旧3500番(現行で言う5000~6000番?)で使用しても個人的には全くストレスは無いですね。
ボートロック
ボートロックの中でも横の釣りでの反応が良いオオモンハタを狙うための使用を考えておりました。というか、狙っているんですが腕が悪くてまだ釣れてません。笑
ただ、こちらも40~50gのジグヘッドを使った釣りをするのですが使用感は全く問題ありません。
こちらもサワラのブレードジギング同様に7.5ftで使用することが多いです。気分で所とグリップが良い時は7.0ft仕様で使うこともありますが、ブランクスは全て継いで使用するのがイイ感じです。
強いて言うなら、横の巻きの釣りにはもう少しレギュラーテーパー寄りの方が使い心地は良いかなと言うくらい。
ティップのハリによってボトム感知性能が高く、スタックしすぎる前にリフトできるレスポンスも備えており、オオモンハタのような横の釣りだけでなく、根にベッタリ着き縦の釣りが有効とされるアカハタにも問題なく使用できました。
やり易さだけで言えばベイトタックルの方が向いていると思いますが、ベイトが苦手な方にはベストマッチな気がします。
クエ(ジグヘッドワームの横の釣り)
これはオオモンハタ狙いの派生型ですが、私は40~50gのジグヘッドを用いたクエ釣りにも用いています。既に紹介した釣りと同様7.0ft or 7.5ftで使用します。
クエも根に着く魚で、ルアーを食った後は根に猛烈なパワーで根に潜りますが、ミストラルのバットパワーの強さとハリの強さによるタイムラグの無さでクエが根に潜るスキすら与えずリフトしてくることができます。私の中でクエ専用ロッドと言っても過言で無いくらい高い適正を持っていると思います。笑
横の釣りであればあらゆるターゲットを釣ることができます。
ジギング
ジギングでは5.4ft or 6.1ftの短いセッティングを使用します。これはリールの大きさ(巻取り量)によってシャクリのリズムが変わるので、ご自身のタックルバランスによってベストセッティングは変わると思います。リールに合わせてロッド側でレングス調整ができるのはかなりメリットだと思います。
ジグウエイトは60~150gは問題なく使用できます。ジギングは慣れてないのであまり長時間できませんが・・・。
そして、残念ながらジギングでコレ!という魚は釣れていないので偉そうなことは言えません…。ジギングにも使えるんだなーくらいで捉えて頂けると助かります。
写真は80gのジグをしゃくってきた時に食ってきたギガアジ
ドブ川シーバス
これまではオフショアでの使用実績の紹介でしたが、次はショアです。
ミストラルXXのスペックは私が大好きなドブ川(小~中規模河川)のシーバスにもマッチします。
これらのフィールドは比較的水深が浅いフィールドながら大型のシーバスが釣れることがあり、魚を走らせると根に潜られてしまうこともシバシバ。なので比較的パワーを必要とする釣りです。
加えて、基本的には小場所で場所によっては木々が生い茂っていたり普段シーバスで使うような8ftを超えるようなロッドだと使いづらく、7ft台のショートレングスが使いやすいことが多いです。
まさにドブスぺ。笑
10g程度のルアーも問題なく使うことができるので、懐の深さを感じます!
その他
私は海外(チェコ)にもこのロッドを持ち出しました。
ホントはパイクを釣りたかったのですが、パイクの禁漁シーズンだったことやフィッシングライセンスの関係で断念し、釣り堀でコイを釣りました。笑
あとは、タックルの持ち合わせが無くてチニングをしたこともあります。
チニングはティップが硬すぎるのでぶっちゃけ全く向かないです。ドラグをゆるゆるにしてなんとかキャッチできました。笑
万能を求めた故の副作用
非常に幅広い釣りに使用できるロッドですが、注意点はあります。
スピニングでの万能性を求めた結果、ロッドのテーパーが非常に独特です。エクストラファーストくらいのテーパーで、魚を掛けてもベリーからバットまで曲がり込むことは無いです。
その独特のテーパーによって決してキャストフィールは良いとは感じません。加えてキャスト時のリリースポイントも狭くアキュラシーを出すのも難しいです。
ジギングでは全く気にならないですが、キャスティングの釣りでは以下2点を注意頂けるとこのロッドの特性を活かせるようになると思います。
①キャスト時のタメをつくれるようにブランクスは全継ぎして極力ロングレングスで使用する
②ピンポイントキャストを要する「点」の釣りではなくある程度アバウトにキャストして後から調整して流し込める「面」を釣りに使用する
守備範囲が広く1本あると非常に便利
使用感に多少のクセはありますが、それを差し引いても非常に万能に使用できる数少ないロッドで、1本持っていると非常に重宝します。
万能なオフショアロッド選びに悩んでいる方は選択肢の1つに入れてみてください。